1 : 名無しさ... - 2018/06/13 06:17:02 5Ld 1/13難しいですね、こういうの。
思いついてしまったので。
元スレ
美優「言葉なんてなくたって」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1528838222/
~大手ショッピングモール内・ベンチ~
美優「はぁ…Pさんへの誕生日プレゼント…どんなものを選べばいいのかしら…」
美優「この機会に思い切ってアピールしちゃえ、なんて言われたけれど…いくらなんでも、そこまでは…」
美優「…とは言え、いつまでも迷ってばかりじゃ…時間が過ぎていくだけだし…やっぱり、思い切って……思い……」
美優「贈り物だけでもいい……わよね…そんなガツガツしていたらみっともないだろうし……重い女だと思われたら……だけど…でも…」
P「あれ、美優さん?」
美優「ふぇっ…?」
~フードコート~
P「何だか奇遇ですね、結構広いとこなのに偶然会っちゃうなんて」
美優「え、えぇ……そうですね……凄い…本当に、偶然……」
美優(聞かれてない……わよね……?)
P「何かお買い物ですか?」
美優「え、いえ……その、ウインドウショッピング……と言うか……」
P「あぁ、わかります。ぶらぶら見てるだけでも時間潰せちゃいますもんね」
P「けど、変装もなしにアイドルが一人で歩いていたら、何かと…目立ちませんか…?」
美優「いえ、そんな事……私、他の皆みたいなオーラとか、そういうのは…ないと思いますし…目立とうと思って、目立つ人間でもないですから」
P「そうかなあ…美優さんほどの美人、見る人が見れば一発だと思うんだけど…」
美優「び、美人なんて、そんな事…Pさんくらいですよ、そんなふうに、言ってくださるのは…」
P「うーん……」
美優「ど、どうかされましたか…?」
P「いや、美優さん、もう少し自信持ったほうがいいんじゃないかなって、ちょっと思っちゃったもので」
美優「自信……私が、ですか」
P「ええ、こう……慎ましやかなのは美徳ですけど、行き過ぎると美優さん自身がキツイんじゃないかなって」
P「ああいや…差し出口で申し訳ないですけど…何言ってんだ俺…」
美優「…ふふっ」
P「な、何かおかしかったですか?」
美優「その…自信を持てって言ってくださる人が、自信なさそうにあわあわしていたから、何だか…すみません、失礼ですよね、私ったら」
P「あはは……いや、それは……」
P「でも、そうか…自信がないのは、お互い様かもしれませんね」
美優「あの、お気を悪くさせてしまいましたよね…すみません」
P「いや、そんな事。…不思議と美優さんになら、嫌な気分とかしないって言うか…」
P「今更取り繕わなくったって、それが本心か冗談かくらいわかりますし」
美優「Pさん…」
P「あ、美優さん、この後予定とかあります?」
P「よかったら、ちょっと買い物に付き合ってほしいんだけど…いいですか?」
~夜・美優宅~
美優「あっという間に時間が過ぎて、結局自分の買い物は何もできないまま、帰って来てしまったけど……楽しかったな…」
美優「もう、日にちもそんなにないし……覚悟を決めるにも、やっぱり私なんかじゃ役者不足な気がして……」
ピピピピ
美優「あら、メール…?」
P『今日はお付き合いいただいて、ありがとうございました。おかげで楽しかったです』
美優「…………」
P『浮かない顔をされていたから、つい気になって声をかけたんですけど、良かったです。たくさん笑ってくれて、少しでも気晴らしになれたなら…』
P『でも、もし何か悩んでいることがあるのなら、話してくださいね。俺なんかで役に立てるかはわからないですけど、でも』
美優「……………あ」
P『やっぱり俺はあなたの担当プロデューサーですから』
美優「………そう……よね」
美優「Pさんは…プロデューサー、だものね…」
美優『夜分遅くすみません、メール、わざわざありがとうございます』
美優『その、悩みがあって…すっかり見透かされていたみたいですけど。贈り物、なんです』
美優『日頃お世話になっている人に、どんなものを贈ったらいいのか……どれくらい気持ちを込めていいのか、わからなくて』
P『どんな贈り物でも、気持ちがこもっていればきっと嬉しいと思いますよ。俺なら…そうだなぁ』
P『お金なんてかからなくても、手紙とか、ちょっとした言葉と一緒に、疲れてるときにそっと甘いモノでも差し出してくれたら…それだけで、嬉しいモンだと思いますし』
P『どういう相手に贈るのか、わからないので参考になるかはわからないですけど。目上の方相手だとそれなりに気も遣いますしね』
美優『その……もしPさんなら、何が欲しいですか?』
美優『私なんかのお手紙や贈り物で、喜んで貰えるんでしょうか、本当に』
P『それは嬉しいですよ』
P『美優さん、これだけは言っておきますけど…』
P『好きじゃない相手に好きとか嬉しいと言えるほど、俺は大人じゃないです』
P『自分が好きじゃない人を人に売り込めるほど、器用じゃないんです』
P『……なんて、ずるい言い方ですよね。…すみません、こんな答えで…』
P『待ってます、俺』
P『どれだけ時間がかかっても、急かしたり、嫌ったりなんてしませんから』
P『俺なんかより…もっといい人に出逢えるかもしれないし、焦って答えを出さなくても、大丈夫です』
P『あぁ……その……気付いてないですから、俺』
P『大丈夫ですよ、美優さん』
美優「………優しすぎますよ…Pさんは…」
美優「こんな……Pさん自身が辛いだけって…私……私は……」
~数時間後、P宅~
P(勘違いだったら…凄く顔合わせづらいな……あれから返事も来ないし……)
P「がっつき過ぎた…かな…はは」
P「でも…我慢ができてるようで、結果を急いでるの、見え見えだよな……俺」
P「ダメだなぁ…」
P「けど、それでも…俺は…」
ピーンポーン
P「……………まさか」
ガチャリ
美優「…………Pさん」
P「美優…さん……」
美優「すみません、その……こんな時間に……」
P「いえ、汚いとこですけど……その」
美優「………書いてきました」
P「……え」
美優「それと、これ……すみません、夜遅くで……こんなものしか、買ってこられなくて」
P(コンビニのチョコ。決して高いものじゃない……だけど、俺がいつも食べてるもの……それと)
P(その袋の中に、手紙が一枚。)
P「……読んでも」
美優「……はい」
P「……………」ペラリ
『あなたが、すきです』
P(一行だけの手紙。ワンコインで買える、どこにでもあるチョコ菓子。)
P(気付けば俺は…彼女を抱きしめていた)
美優「Pさん…」
P「俺は…単純で…頭、うまく回らなくて…」
P「もし嫌だったら……逃げてくださいよ」
美優「……嫌なわけ、ないです」
P(そう言った彼女は、自分から…)
美優(あの夜、結局、この気持ちが実る事はなかった)
美優(ずるいですよね、お互いに)
美優(けれど、気持ちを伝えずにはいられなくて、子供のように求めあって、そうして…)
美優(伝えてしまった言葉を抱きしめたまま、私は今もアイドルを続けている)
美優(隣にはいつもあの人がいて、見つめれば笑みを返してくれるけれど)
美優(もう、あの夜のように近づく日は来ないだろうな、と。何となく、理由もなく、そう感じていた)
美優(だから、よかったんです。一言で。)
美優(よかったんです、安い、誰でも、どこでも買えるようなチョコレートで。)
美優(特別なものじゃなくても、特別になれなくても。あの夜、あなたは確かに…私を見てくれていましたから)
だから…苦くて、少しだけ甘いこのぬくもりは…
お互いを傷付けることのない距離で、ただ一度だけ。
募る想い 零れ落ちてしまう前に
笑顔のまま。 最後のキスを。
13 : 名無しさ... - 2018/06/13 06:24:03 EaM 13/13即席クオリティなので何かが足りない。
とは思いつつ夜中にあの曲を聴いたら書かずにも。などと。などと。
お目汚し、失礼をば。