【まちカドまぞく】シャミ子「もんも」桃「どうしたの?」
桃「何? 本当にどうしたの、シャミ子」
シャミ子「もんももんももんも!」
腹パンどん!
桃「痛っ、急になんで、訳がわからないよシャミ子」
シャミ子「もんも......」グスッ
桃「え、え?な、泣かないでシャミ子」ギュッ
シャミ子「もんも~!」スリスリ
桃(とりあえず抱きしめたら泣き止んだけど、なんだかシャミ子がおかしい......)
桃「今変な夢を見てたような」
教師「あーでもないこーでもない」
桃「授業中だった......眠たいしまた寝よう」スヤスヤ
桃「あ、シャミ子だ」
シャミ子「おはようございます桃!今日はよく眠れましたか?」
桃「うん、シャミ子は?」
シャミ子「私も眠れました!ぐっすりです!」
桃「でも変な夢を見たんだよね。シャミ子が」
シャミ子「あの、桃」
桃「ん? 何、シャミ子」
シャミ子「桃に言わないといけないことがあるんです」
桃「え! 何かな?」ワクワク
桃「え」
シャミ子「嫌いなんです」
桃「ち、ちょっと待ってシャミ子」
シャミ子「待ちません」
桃「私何かダメなことしたかな......?」オロオロ
シャミ子「辛いトレーニングに無理矢理付き合わされて、やりたくもないのに本当に散々です」
桃「ごめん、私シャミ子の気持ち考えてなくて。待って行かないで!」
シャミ子「ごめんなさい、もう近付かないでください」スタスタ
桃「シャミ子......待って......」グスッ
桃「あれ......夢?」
桃「なんで私、泣いてるんだろ」ポロポロ
桃「まだ深夜の二時だ......寝よう」スヤスヤ
桃「? 私何してたんだっけ?」ポケ-
ドカーンボカーン
桃「そうだ、この街は戦場になったんだった。戦わなきゃ......」
桃「近くの建物が何もかも壊れてる」
桃「あれ、あそこってシャミ子の......住んでる......」
桃「急がないと!」タタタッ
桃「ミカン! どうしてこんなにひどい怪我を!?」
ミカン「あなたのせいよ桃」
桃「え?」
ミカン「あなたのせいでみんな死ぬのよ......」バタリ
桃「ミカン? 起きて! 目を開けてみかん!」
シャミ子「全部桃のせいです」
桃「シ、シャミ子! 全身怪我してる、手当てしないと!」
シャミ子「この街を......守ってくれるって言ったのに......嘘つき」
桃「シャミ子、早く手当てしないと!」
シャミ子「桃になんか出会わなければ......」ドサッ
桃「あ......あぁ......シャミ子」
桃「ダメ......嫌だ......起きてよ」
桃「こんなの冗談だよね? こんなのおかしい......」
清子「おはよう優子」
良子「おはようお姉」
シャミ子「おはようございます!」ニコニコ
リリス「シャミ子よ、朝一から機嫌が良さそうだな」
シャミ子「ご先祖、聞いてください!実は今日桃の夢に行ってきたんです!」
リリス「ほう、何かと思えばそんなことをやっていたのか」
シャミ子「桃には私の眷属になってもらいたいので、下準備をしてきました!」
リリス「下準備? 何をしてきたんだ?」
シャミ子「桃に怖い夢をいっぱい見せてきました!」
リリス「えぇ...」ドンビキ-
シャミ子「大丈夫です! 今から沢山甘やかします! 三食昼寝付きです!」
リリス「大丈夫ではない気がするが......。そういえば夢の中で桃にバレなかったのか?」
シャミ子「最初はバレそうでした。でも夢の中で夢を見せて、その夢の中で夢を見せて、って続けたら上手くいったんです! 私も夢の使い方が上手くなりました、まぞくとして一歩成長です!」
リリス(それはすごくやばいのでは?余は桃が若干心配になってきた!)
シャミ子「ご先祖見ててください、私は今日桃を眷属にします!」
シャミ子「怖い夢でボロボロになったところを甘やかせば、桃は私にメロメロになるはずです!」
リリス(伝えるべきか?いやしかし桃なら別にそんな大事にはならない......のか?)
シャミ子「もんも~楽しみにしてるがいい、ククク!」
リリス(まあ桃はシャミ子より強いし大丈夫か!そもそも伝えたところでもう夢を見せた後だしな!)
桃「うぅ」
ミカン「起きて桃」ユサユサ
桃「はぁはぁ、みかん...」
ミカン「うなされてたみたいだけど」
桃「大丈夫......」
ミカン「桃泣いてるの? 怖い夢でも見たのね」ギュー
桃「ミカン、別に私は大丈夫だから」
ミカン「私は死んだのに」ボソッ
桃「!」
シャミ子「桃のせいです」
桃「ち、違う私は......」
シャミ子「桃も死ねばいいんです」
桃「シャミ子......あ......やめて」
シャミ子「責任を取って桃も死んでください」
桃「誰か.....助けて......」
シャミ子「杏里ちゃん、桃居ますか?」
杏里「ちよももは今日はお休みみたいだね。風邪でも引いたんじゃない?」
シャミ子「そ、そうなんですね」
シャミ子(せっかくお弁当を作ってきたのに!)
杏里「それ弁当?二つ?あ~もしかしてちよももに作ってきたのか~? シャミ子は本当にちよもものことが好きなんだね~」
シャミ子「んなー!? そういうわけじゃありません! 私が倒す前に倒れられたら困るから、栄養ある弁当を作っただけです!」
シャミ子(でも桃に毎日会ってたから気づかなかったけど、今日会えないだけでこんなに胸が苦しくて不安になるなんて)
シャミ子「そうだ、私今日桃の家にお見舞いに行きます!」
シャミ子(そうすれば桃に会えるし、桃眷属化計画を続けられるし一石二鳥です!)
ミカン「シャミ子......」ガチャリ
シャミ子「こんにちはミカンさん。桃は大丈夫ですか? 風邪を引いたんじゃないかと心配なんです」
ミカン「それが風邪ではないんだけど、今朝からずっと目を覚まさないの」
シャミ子「ええ!? どういうことなんですか」
ミカン「私にもわからないの。うなされてるみたいで、ずっと怖い夢を見てるみたい」
シャミ子(うなされてる? 怖い夢?)
シャミ子「それってもしかして」
リリス(それってもしかして)
桃「やだ、シャミ子...殴らないで...」
シャミ子「......」
ミカン「この通り、ずっと酷い夢を見ているの」
シャミ子「桃......」
シャミ子「ご先祖、これはもしかして私のせいかもしれません」コソコソ
リリス(もしかしなくても間違いなくシャミ子のせいだぞ!)
シャミ子「ミカンさんは着替えを持ってきてください! 私がおしぼり変えて服を脱がせておきます!」フンス!
ミカン「そう?じゃあ頼むわ」スタタ
シャミ子「おしぼりを変えてと」サササッ
シャミ子「じゃあ服を脱がせますよ~」ソロー
シャミ子(桃、汗だくだ。私のせいでそんなに怖い夢を見てるんだ)
シャミ子(綺麗な肌......)
ミカン「シャミ子、なんで桃のお腹に頬ずりしてるの?」
シャミ子「ひゃあああああ、ごめんなさい!」
シャミ子「はい......」
ミカン「それじゃまた明日ね」
シャミ子「ま、待ってください」
ミカン「どうしたの?」
シャミ子「桃がずっとうなされてるのは私のせいなんです」
ミカン「え!? それって一体どういうことなのシャミ子!」
ミカン「つまり桃を眷属にしたくて夢を見せたってことなのね」
シャミ子「ごめんなさい、悪気はなかったんです」
リリス(怖い夢を見せるのは悪気マックスな気がするが......)
ミカン「私は気にしてないわよ。シャミ子は桃が好きなんだし、ただ酷い目に遭わせたいってわけじゃないのはわかるわ」
シャミ子「い、いえその、好きっていうか......も、もうそれでいいです///」
シャミ子「とにかく私、桃を助けに行きます。もう一度桃の夢の中に行きます!」
ミカン「大丈夫?あの桃がうなされるレベルの夢なのよ?」
シャミ子「私が撒いた種です!自分で刈り取ります!」
シャミ子「私、桃になんて酷いことをしてしまったんでしょう......」
シャミ子・ミカン「桃のせいだ!桃桃桃桃!」
桃「うう......」ウズクマリ-
シャミ子「あれは!まさか夢の中の私とミカンさん?」
シャミ子「そしてあれは......桃。桃がいる! 桃~!!!」
シャミ子「こら~!!私の桃から離れろ~!!」スタコラスタコラポガポガ-
夢シャミ子・夢ミカン「偽物だ!倒せ倒せー!」
シャミ子「うわぁぁぁぁ!夢の中の敵が強いです!」
夢シャミ子・夢ミカン「うおらっしゃー!」
シャミ子「こうなったら、お父さん力を貸してください! 夢の中専用ズルイ武器ー!!」ピカ-
夢シャミ子「うぴゃああああああ!!」
夢ミカン「ぎゃああああああああ!!」
シャミ子「な、なんとか倒せました。でも体力的にもう限界です」
シャミ子(とにかく桃の所へ行かなきゃ)
シャミ子「もんもぉ~!!助けに来ました!!」
シャミ子「桃、私です! 本物の私です!」ギュ-
桃「は、放して!」
シャミ子「ここは夢なんです桃! だから大丈夫です!」
桃「夢......? ここは現実じゃない?」
シャミ子「桃の夢に来たんです。桃を助けるために!」
桃「そうだ......私は確かずっと変な夢を見てて......」
桃「シャミ子......ありがとう」ギュッ
シャミ子「桃......目覚めたんですね!」
桃「うん」
シャミ子「やったやった!それじゃあ起きましょう。ミカンさんも待ってます」
桃「うん!」
ミカン「二人とも帰ってきたのね!」
ミカン「心配したのよ桃!」ギュ-
桃「ごめん、いつもありがとう」アタマポンポ-ン
シャミ子(私も桃をぎゅっと抱きしめたい......)チラチラ
桃「にしても、なんでずっと目が覚めなかったんだろう」
ミカン「あ、そ、それはね、色々あるのよ!」
シャミ子「ミカンさん、いいんです。全部話します」
シャミ子「ご、ごべんなざいいいい!!」
ミカン「まあまあ桃、シャミ子だって桃が嫌いなわけじゃないのよ。ただ好意が有り余りすぎたっていうか」
桃「ミカン、私もわかってる。シャミ子はそんなに悪い子じゃないから」
桃「ちょっと失敗しちゃっただけなんだよね?シャミ子」
桃「酷い目にはあったけど、眷属になってほしいって強い思いは感じたよ。そういう意味では嬉しくはあるかな」
シャミ子「違うんです」
桃「......何が?」
シャミ子「眷属になってほしいって言うのは建前なんです」
シャミ子「私、私......ずっとずっと、桃のことが好きだったんです......」
シャミ子「一人だと寂しくなっちゃうくらい」
シャミ子「胸が苦しくなって不安になるくらい」
シャミ子「桃のことが好きなんです」
シャミ子「だから桃にも私のことを好きになって欲しかったんです」
シャミ子「でもドジで馬鹿で間抜けで、どうしようもない私みたいな人を、桃が好きになるはずなんてないって」
シャミ子「だから夢に......洗脳に頼ろうとしたんです」
シャミ子「ごめんなさい、私は桃にもう顔向けできない」
シャミ子「私、悪い子です。自分勝手で桃に辛い目にあわせて」
ミカン「待ってシャミ子!」
桃「......」
ミカン「桃!追いかけなきゃ!」
桃「うん。私行くよ、ミカンはここで待ってて」
シャミ子「桃!?」ダッ
桃「逃がさないよ」ガシッ
シャミ子「うー!放してください~!」ジタバタ
シャミ子「私はもう桃と会っちゃいけないんです~!」
桃「ふん!」ブン
シャミ子「ぎゃんっ!」ベシャア
桃「いいからそこにお座りわるまぞくめ!」
シャミ子「ひゃああああああ!」
桃「しないよ」
シャミ子「私は桃を洗脳して無理矢理好意を植え付けようとしわるまぞくなんです!」
シャミ子「一欠片も残さないように消してください!」
桃「思い上がるなまぞく!」デコピ-ン
シャミ子「ぶぇっ!?」
桃「仮にシャミ子がそんな力を使わなくても」
桃「いずれ私は絶対にシャミ子のことを好きになってた!」
桃「がんばりやだし見てて面白いし......かわいいし......」
桃「今回シャミ子がやったことは、他の人から見たら間違いだったかもしれない」
桃「けど私にとっては、私達にとっては間違いじゃない」
桃「だってそのおかげで、私達はもっと分かり合えるから」
桃「大丈夫だよ、安心して」
桃「もしシャミ子が本当に道を間違えそうになった時は、私がいる」
桃「シャミ子が道を間違えた時、私が殴り倒してでも引き戻すから」
桃「安心した?」
シャミ子「しないです!怖いです!」
シャミ子「......でも、ありがとうございます」
シャミ子「こういう桃だから......私は好きなんです」
桃「何か言った?」
シャミ子「い、い、言ってないです!」
シャミ子「さ、さあ早く帰りましょう!」
桃「言ってないよ」
シャミ子「なあぁ~ん!? 言った!絶対言った! 好きって言ってくれた!!!」
桃「言ってない」
シャミ子「言いました! 私のこと好きって言ってくれました!!」
桃「だから言ってない」
シャミ子「嘘をつくな!昨日は告白記念日~!!!!」
桃「......」ムカッ
桃「シャミ子がわるいんだよ」カベドン!
シャミ子「あ......もんも......❤」キュンキュン
🍊「......」ジ-ッ
おわり
元スレ
シャミ子「もんも」桃「どうしたの?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1570982723/
シャミ子「もんも」桃「どうしたの?」
http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1570982723/
コメント一覧 (11)
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- 2019年10月14日 10:09
- シャミ子の能力はガチ
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- 2019年10月14日 10:30
- まあ面白かった
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- 2019年10月14日 11:11
- |il!i|il!i|il!i| <このSSの評価は……(ダラララララ)
↓
|🍊|🍊|🍊| <未完!!
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- 2019年10月14日 12:29
- ほんとは……
夢の内容が…ちょっと怖すぎるかなー…って……
もうちょっと笑える感じならそっちも見たいかも……
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- 2019年10月14日 20:26
- これはシャミ悪
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- 2019年10月14日 22:04
- シャミ子が悪すぎる
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- 2019年10月14日 23:13
- ちょっとこれはシャレになってない悪だわ
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- 2019年10月14日 23:18
- シャミ子に桃を追い詰めれる程の想像力ないだろ
良かれと思ってやった夢が逆効果ならあり得る
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- 2019年10月14日 23:49
- 公民館に住んでるときなのにみかんの呪いが出ない…
まだ現実でない…?
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- 2019年10月14日 23:58
- まあ確かに悪いんだけどそもそもこの子まぞくなんですよ
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- 2019年10月15日 17:42
- サンキュー🍊